一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

根の構造の違い

質問者:   会社員   タカ
登録番号1329   登録日:2007-07-01
水栽培で育てた根と土で育てた根は違うと聞いたことがあります。根の性質や構造が違うのでしょうか。また、もし性質や構造が異なるとすれば水栽培で育てた植物を土に植えると(逆の場合もあります)、根は新しい環境に対してどのように適応していくのでしょうか。
どうかよろしくお願いします。
タカ様
遅くなりましたが、ご質問(登録番号1329)にお答えします。

水栽培と土壌栽培で育てた植物の根の構造は基本的に変わりありません。ただ、根は栽培場件によって、成長の度合いや枝根の発達の程度は大いに異なります。水耕の場合でも、気曝が十分になされているか、つまり、酸素の供給は十分かどうかで大いにちがいます。適正な条件のもとでは、乾燥地に生える植物、たとえば、サボテンでも水耕でよく育ちます。一般的に、水耕では根は地中でのように水を求めて深く伸びて行く必要はないので、根圏は狭くてすむようです。水耕で育てた植物を土壌に移す場合は、普通の植物の移植の場合と同じように、丁寧に扱えば問題はないでしょう。ただ、いきなり乾燥した環境に移す等すればよくないでしょう。逆のばあいは、まず、植物体から土壌をよく除き、根を清浄にしてやる必要があります。その上で、古くなった根や、千切れた根は切り取り、さらに、根の数を減らします。いずれの場合も根の先端を傷つけないようにすることが大切でしょう。成育の基本的条件が整っていれば、根は新しい環境でも変わりなく成長できます。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2007-07-12
植物 Q&A 検索
Facebook注目度ランキング
チェックリスト
前に見たQ&A
入会案内