一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の近くに酢を置いたら枯れました。原因を教えて下さい。

質問者:   高校生   バルディリス
登録番号3410   登録日:2015-12-22
箱の中にキャベツの芽を入れ、芽の近くに酢を置いたところキャベツの芽が5日間で枯れてしまいました。またキャベツの芽を置いた場所は日当たりが良く、水も適度に与えていました。なのでなぜ枯れてしまったのかが分かりません。理由を詳しく教えて下さい。またこの実験の際にほぼ同じ大きさのキャベツの芽を使い、酢を近くに置かないこと以外全く同じ条件で実験を行いました。水の量、そして日当たりも同じように工夫しました。結果的に酢を近くに置かなかった芽は枯れずに成長しました。

なのでなぜ枯れてしまったのかが分かりません。理由を詳しく教えて下さい。
バルディリス君

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
どうしてこのような実験をしたのですか? 何を知りたかったのでしょうか。
「箱」はかなりしっかりしたもので、きちんと蓋を閉めていたと想定します。
バルディリス君、使用した酢の匂いを嗅いでみましたか。酢にはおよそ5%の酢酸が含まれていわゆる「酸っぱい匂い」がしますが、「匂う」ということは揮発性だということです。お酢をお皿などに入れておくと表面から酢酸分子が空中に揮散しますが、近くに水があればその中に溶け込みます。箱のような密閉(に近い)容器にお酢のお皿と植物を入れておけば、お酢から揮散した酢酸分子は植物内の水に溶け込み、植物細胞を酸性にします。そのために、植物は枯れたと思われます。細胞特に原形質のpHは中性付近に保たれています。そこに、大量の酸性物質が外部から入ると、原形質を中性に保つ作用が限界を超えるため極端に酸性になって細胞は機能を失い、結果として個体が枯れることになります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2015-12-24
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