一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

落花生の葉はなぜ夜間 閉じるのですか

質問者:   会社員   しんた
登録番号3604   登録日:2016-09-24
最近 プランターで植物を育て始めた者です。
種を植えて すくすく 育つ姿を見るのが大好きです。
落花生を育てたときのことです。
夜になると葉を合わせて閉じ、朝になると元の通り
葉が開きます。
本などで 動く機構は 解説されていたのですが
どんな利点があって葉が閉じるのかを知りたく思います。
どうか 宜しくお願いいたします。
しんたさん

質問ありがとうございます。
いくつかの植物が夜間に葉を閉じることが知られています。
たとえば、「みんなのひろば」 Q&A検索 で 「就眠運動」を検索すると該当する過去の回答がいくつか出てきます。
登録番号0745: 葉を食べる動物から身を守る
登録番号1381: ねむの木について
これらの回答を参考にしてください。

総合すると、就眠運動には次のような利点が考えられます:
葉は、昼間は光合成をするために開いていることが有利です。
しかし、夜間に開いていることは、光合成の利点はなく、昆虫や哺乳類などの植物を食べる動物の標的になりやすいので、閉じていることが有利だと考えられます。
(なお、就眠運動は植物の体内時計に依存しています。)

では、なぜ、多くの植物が夜に葉を閉じないかのと質問されると明快な答えはありませんが、次のようなことが考えられましょう。
葉の開閉には、コストがかかる:
1.葉(葉柄等を含む)の局所的膨圧の変化のための物質代謝、溶質の膜移動等
2.開閉を制御する物質の合成や分解(いくつかの植物について、部分的にしかわかっていません)

このように、葉の就眠運動には利点もあるが、コストもかかるので、どのような環境適応戦略をとるかは、それぞれの植物により異なっていると考えられます。
JSPPサイエンスアドバーザー
櫻井 英博
回答日:2017-03-09
植物 Q&A 検索
Facebook注目度ランキング
チェックリスト
前に見たQ&A
入会案内