一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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なんで、マリーゴールドは尖った形なのですか?

質問者:   中学生   ペンペン
登録番号4194   登録日:2018-08-12
地球には様々な種があると思うのですが、マリーゴールドのように尖った形のものは、なかなか見ません。
その尖った形状は、生きていく上で何が有利なのでしょうか?
ペンペン様

みんなのひろばの植物Q&Aを利用下さりありがとうございます。

質問内容を読みましたが、マリーゴールドの何が尖った形なのかわかりません。それがわからないと答えようがありません。「回答できません」ということになります。
        
ということですが、何を不思議に思っているのだろうと、いろいろ類推してみました。まず花ですが、マリーゴールドはキク科の植物ですので花のように見えるのは花の集まり(頭状花序)で、花弁をもつもの(舌状花)ともたないものから構成されています(すべて舌状花になったものもあります)。マリゴールドの品種の多くでは、舌状花の花弁の先端は平か、丸みを帯びていますが、中には尖った品種もあります。この場合は園芸家が、変わった花で面白いと思って選び出したものと思われ、その性質が生きていくうえで特に何かに有利だったということではないでしょう。

次に葉を考えてみます。市販されているマリーゴールドはキク科のコウオウソウ属(マンジュギク属)の植物を栽培したものの総称で、外来の植物です。アフリカン系とフレンチ系があり、それぞれたくさんの品種がありますが、どれも平たい葉(単葉)ではなく、多くの小さい葉〈小葉〉から1枚の葉が構成されています(羽状複葉)。栽培されているどのマリーゴールドの葉も複葉ですので、自然界のものも複葉だったと思われます。小葉は細長いので、質問はこのこと指しているのかなとも思いましたが、このような形の葉は珍しくありませんので、「なかなか見ません」という質問内容の記載とは合いません。

複葉の利点については、植物Q&Aの登録番号4186で説明を読むとわかると思いますが、中学生には難しいでしょう。かいつまんで言いますと、葉の周辺には空気の淀み(境界層)があり、境界層が厚いと気孔からの水蒸気が拡散しにくいため熱がこもり易くなります。複葉は単葉に比べて境界層が薄いので暖かいところで、熱のこもり難い複葉が、涼しいいところでは熱のこもり易い単葉が光合成に有利ということになります。高緯度にいくほど葉が大きくなる傾向があるそうです。マリーゴールドはメキシコ原産ですので、複葉に進化する方が有利だったのかもしれません。

以上、質問を類推して回答しましたが、回答になっているでしょうか?今度、質問される時は、何を聞きたいのかがわかるように書いて下さいね。



庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2018-08-20
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