一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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梅の穂先の紅い色はなぜ?

質問者:   一般   はてなfemale
登録番号4329   登録日:2019-01-08
梅の穂先は寒い季節に真っ赤ですが、色は変化します。
何故ですか? 
木の中で、どんな変化が起きていますか?
はてなfemaile 様

みんなのひろば植物Q&Aのコーナーを利用下さりありがとうございます。
梅の木は秋になると葉を落とし、休眠芽をつくります。休眠芽は芽の生長が一時的に止まり、葉が鱗片状に変化してできる芽鱗に被われた構造です。梅の場合、春先に伸び出した枝の葉腋の側芽に、8月くらいには花芽が分化しています。この場合には、花芽を芽鱗が被います。どちらにしても、質問で冬に穂先で見られたのは休眠芽で、休眠芽を被う芽鱗の色を観察されているものと思われます。

梅の芽鱗の色素やその変化についての記載を探してみましたが、調べた限りでは見当たりませんでした。ウメはバラ科の植物ですので、赤色色素はアントシアニンかと思われます。アントシアニンには紫外線による障害から防御する働きがあることが知られています。色が変化したとのことですが、どのように変化したのでしょうか?いくつかの可能性が考えられます:(1)アントシアニンが分解した、(2)クロロフィル(緑色)の合成がおきて、色が混じった。(3)芽鱗の鱗片葉が伸長して色が薄まった、などです。どのような変化か観察してみて下さい。

芽鱗な働きについては、本コーナーの登録番号1125, 1210 に解説がありますので、ごらんになって下さい。


庄野 邦彦(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2019-01-19
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