一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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オニバスの葉の裏がなぜ紫色をしているのですか

質問者:   一般   本多
登録番号4834   登録日:2020-08-14
オニバスを栽培しているのですが、葉の裏が鮮やかな紫色をしています。アントシアンが含まれているからだと考えますが、オニバスにとってどんな意味があるのでしょうか。ユキノシタの葉裏も赤紫色をしていることがありますが、同じような理由なのでしょうか。
本多 様

みんなのひろば「植物Q&A」へようこそ。
質問を歓迎します。
アントシアニンをはじめとする植物色素の研究が専門の吉田久美博士(名古屋大学大学院情報学研究科、教授)に回答をお願いし、有力だと考えられる説を紹介していただきました。

【吉田先生の回答】
ご質問ありがとうございます。
オニバスに限らず、葉の裏側が赤色あるいは紫色の葉がいくつか知られております。
このコーナーの登録番号1601でもお答えしましたように、裏側にアントシアニンを持つ葉の生理学的な機能については、私自身は研究したことがありませんので、聞いただけですが、
「比較的暗い場所で生育する葉では、光合成のための光を裏側の赤い色素で反射して再度葉の中に取り入れるための仕組みかもしれない」という説があります。
ハスの場合には、暗いところで育つわけではありませんので、別の要因かもしれません。
紫外光が強すぎてストレスとなる場合や、低温によるストレスによっても、アントシアニンが生合成される場合があります。
それらのいずれかの可能性があるかと思います。
実際の研究では、まずどのような色素が含まれているか、どのような条件で育てると、色素が増えるか、減るか、その際に何らかの色素生合成系遺伝子の増減があるか、などを調べます。
すくなくとも、外的条件と色の濃さについては、なんらか観察なり実験なりができるのではないでしょうか。
それによって、ヒントが得られるかもしれません。
吉田 久美(名古屋大学大学院情報学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
櫻井 英博
回答日:2020-09-04
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