一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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浸出油で抽出できる成分について

質問者:   自営業   mayuko
登録番号4993   登録日:2021-02-19
今、かゆみに対応できるオイルを作りたくて、ドクダミ、柿の葉、枇杷の葉のインフューズドオイルを作っています。
 
3種類ともお茶やお風呂に入れるイメージが強いので、オイルに漬けても狙った効能の成分が抽出できるとは限らないのかなと思っています。
植物の油溶性成分と水溶性成分が知りたいです。調べられる方法や資料などはありますか?
mayukoさん

みんなのひろば 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
「植物の油溶性成分と水溶性成分が知りたいです。調べられる方法や資料などはありますか?」とのことですが、お尋ねの中身は「植物成分全部」と言うことになってしまい、とて
もこのコーナーで解説することが出来る範囲ではありません。成書としても植物化学、植物代謝生理学、生化学など沢山ありますので、それらをお読みになって脂溶性、水溶性成分の概要と、ひいては詳細をつかむしかありません。因みにアマゾンで「植物化学」で検索すると沢山の成書があげられています。
水溶性成分の代表はアミノ酸、オリゴペプチド、単糖、オリゴ糖、低級脂肪酸などがあります。脂溶性成分には高級脂肪酸、中性脂肪、リン脂質、テルペノイド(モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、ステロイドなど)が代表的と言えます。近年では脂溶性のペプチドも知られています。どれがどんな効能があるかは調べてみなければ判りません。芳香成分の多くはモノテルペンですがその種類は沢山あり、分布もいくつかの植物種にかぎられるもの、広く多くの植物種に含まれるなど個々の化合物によって異なります。水溶性、脂溶性と言っても物質によって水、油への溶解度が一定温度でも非常に違います。
一般に、抽出成分の生理的効能(例えば漢方薬)などは経験的に知り、その後有効な成分が同定されるという順序でなされています。古来、植物ハンターが世界中の草原、森林を訪ねていろいろな植物種を採集し、効能ある種を探索しているのが実情です。
今関 英雅(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-03-10
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