一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ウラシマソウの性転換

質問者:   一般   かめさん
登録番号5035   登録日:2021-04-02
登録番号3276でミミガタテンナンショウの性転換について説明していますが、単性花である雄花と雌花が同株では存在しない雌雄異株と思っていました。しかし今回ウラシマソウで同一株に雄花と雌花が存在していました。このケースについてネットや図鑑で調べましたが見当たりませんでした。このような事は良くあることでしょう。お教え願います。
参考までに写真をリンクしますのでよろしくお願いいたします。

https://drive.google.com/file/d/1WrEkJkNTYIiuwCB6653oZxn2ePUGp8rn/view?usp=sharing
かめさん様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。回答が大変遅くなってしまいました。回答はテンナンショウ属の生活史について詳しい研究をされた先生にお願いしておりましたが、なかなか連絡が取れませんので私が調べて分かった範囲でお答えすることにいたします。登録番号3276の回答の中でも述べられていますが、テンナンショウ属の植物は生活史の中で性転換の現象を示します。種子が発芽してから数年は無性段階(栄養成長)でこの期間に塊茎が大きくなります。個体の齢がある程度進んでから花が形成され始めますが、初めは雄花をつける雄性段階ですが、齢が進むと雌雄同株段階を経過して、最後は雌性花だけの段階になります。この転換の過程の期間はテンナンショウ属の種によって異なっており、ムラサキマムシグサは雌雄同株段階の個体が特に多く見られるようです。性転換の過程は栄養条件や気候などの環境要因によっても影響を受けるようです。したがって、ウラシマソウの雌雄同株花も特に珍しいことではなく、たくさん観察すれば見つかるかもしれません。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-05-16
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