一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ズッキーニの閉花と受精の関連性について

質問者:   一般   yacco
登録番号5082   登録日:2021-05-19
今年初めて、自宅でズッキーニを育てています。観察していると、雌花が閉花するまでの時間に、多少ばらつきがあるように見えるのですが、これには受精の成否が関連しているのでしょうか。あるいは全く違う理由でしょうか。
Yacco様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。ズッキーニ(Cucurbita pepo L. 'Melopepo')を栽培しておられるとのこと、果実は成長が早いのでうっかり見過ごすと大きな長いカボチャのようになるでしょう。でも大きくなっても美味しく料理できますね。ズッキーニに特定したことは野菜栽培の専門の方に聞かないとわかりませんが、ここでは開花、閉花の一般的なことについて説明いたします。
花という器官は繁殖のための生殖器官です。最終的には次世代の植物の胚を内包する種子を作ることのためにあるものです。多くの植物は一つの花に雄しべと雌しべを備える両性花です。この場合、自家不和合(本コーナーでこの語句で検索してみてください。たくさんの関連質問があります)でない限り自家受精します。しかし雄花と雌花が別々にある単性花もあり、両者が別々の個体の場合もあります。ズッキーニが属するウリ科の植物は単性花を形成し、ふつうは雄花雌花を同一個体に作ります。何れにしても雌花の役割は前述のように受粉して受精を完了させ、種子を作ることです。したがって一旦受粉が済めば開花している必要はないので花はしぼむ(閉花)ことになります。しかし受粉ができない(送粉者や風が花粉を運んできてくれない)雌花は受粉が済むまでは開花しています。その期間は種によって違うようです。ウリ科の雌花の寿命(開花期間)は1日です。もちろん気温、風雨などの気象条件等によって影響を受けます。育てておられるズッキーニの雌花が萎んだ場合、その後果実の成長が見られるなら、それは受粉が完了したからでしょう。バラツキがあるのは受粉の時期(時間)の違いによるのでしょう。中には何らかの外的な理由によって早く萎んでしまう場合もありますが、その場合はその後の果実の成長は見られないはずです。
勝見 允行(JSPPサイエンスアドバイザー)
回答日:2021-06-08
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