一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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投稿されていた質問を読んで

質問者:   大学生   匿名
登録番号0917   登録日:2006-07-21
以前も質問したのですが、さらに勉強し他の人が投稿した質問・回答を読んでいたのですが、どうしてもわからないことがあるので、今回質問しました。

質問なんですが、
・C4植物とC3植物の違いを解り易く教えてください。
・投稿されている質問を読んで、サトウキビの光合成の純生産量が多く、イネは少ないことからC4植物とC3植物の違いが、その純生産量の違いに表れると思い調べましたが、トウモロコシもC4植物なのに純生産量が少ないので、純生産量の多い植物と少ない植物を決めるのは何か?

お忙しとは思いますが、できるだけ早く教えていただけると幸いです。
   
匿名 さん

 第一のご質問、C3, C4植物の違いについて、質問登録番号0029の回答に詳しく、わかりやすく解説されていますので、参照して下さい。2種の植物のCO2固定様式がどのように異なっているかの詳細については、ほとんどの植物生理学の教科書に詳しく解説されていますのでこれらも読んで下さい(例えば、桜井英博ら(著)植物生理学入門、培風館(2001)。大学の講義では少なくとも2-3時間をかけて解説する分量です)。

第二のご質問は、C3植物のイネ、C4植物のサトウキビ、トウモロコシの純生産量の比較についての問題ですが、これらの数値を比較する場合、1年生植物では特に、その植物が生育している環境、特に水環境、無機栄養(肥料)環境、熱帯か温帯かの地域、栽培法に関連する時間(日数)の因子、などによって純生産量が変動するため、相互の比較にはこれらの点に注意する必要があります。純生産量を測定した数値には必ずこれらのことが記載されているはずですので、それらを含めて考察することが必要です。
例えば、イネでも日本のように水が充分に与えられていると、水が非常に不足している場合のトウモロコシより純生産量が高くなることもあるでしょう。また、田植えをする普通の栽培法ではイネの(田植え後の)栽培日数は、種をまいて葉が大きくなる迄の日数が加算されるトウモロコシに比べ短く、従って日数当りの純生産量はイネの方が高くなるかも知れません。従って、これらのことを充分に吟味して純生産量を相互に比較することが必要です。現在の地球環境では、葉が充分に大きくなった後の純生産量は一般にC4 植物がC3植物に比べ高い場合が多いのですが、これが地球の全ての地域で常に成立するとは限りません。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2006-09-09
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