光合成生物はクロロフィルやビリンなど、発色団として機能する有色色素テトラピロールを生産する。これらの色素は呼吸、光合成、光受容などの多様な生理過程において重要な役割を担っており、近年、人工光合成や光遺伝学への応用の観点からも注目を集めている。本特集号では、増田 建、成川 礼、佐賀 佳央、山本 治樹、Matthew Terry、藤田 祐一がゲストエディターとして参画し、植物および光合成微生物における光受容という役割に関連したテトラピロールの生合成、分解、および機能に関する総説論文および原著論文が収録されている(編集総説Masuda et al. (2025)も参照のこと)。
表紙写真は、様々な海洋性のシネココッカス(Synechococcus)カルチャーであり、これらの細胞のフィコビリソーム(光合成集光性アンテナ複合体)に含まれる色素の違いにより生じる極めて多彩な色の表現型が示されている。この中には、Kehoe et al. (2025) の総説のトピックでもあるタイプ4光色順化を行う株も含まれる。写真は、ロスコフ海洋生物学研究所の前で撮影された。
写真提供者:Laurence Garczarek博士 (フランス・ロスコフ海洋生物学研究所)。
PCPギャラリー