将来の気候変動に向けて植物の季節応答を予測することは、効果的な生態系管理や、農作物の収量向上のために不可欠である。村中らはハクサンハタザオの自然集団において、トランスクプトームの日周リズム振幅が季節的に変化し、7℃以下で急速にリズムが減衰することを発見した。さらに、野外での植物サイズの観察によって、同様の温度で成長が停止することが明らかとなった。これらの自然条件での観察は、温度依存的な概日リズム性および成長の調節の協調性を示唆しており、気候変動に対する植物応答の予測における概日時計の重要性を浮き彫りとしている。
表紙は2018年3月に撮影された抽苔中のハクサンハタザオ(Arabidopsis halleri subsp. gemmifera)。この頃に、トランスクプトームの日周リズムが回復し、植物の成長も再開した。写真提供:村中智明博士(名古屋大学)
PCPギャラリー