イネは単子葉植物のモデル植物であり、同時にモデル穀類でもある。最近のイネの発生学的研究の進歩により、イネ (単子葉植物) と双子葉植物の発生過程の違いが徐々に明らかになりつつある。イネの発生の理解は、実際の育種のためだけでなく、単子葉植物と双子葉植物の比較生物学にとっても必須である。この号で、伊藤らは、イネの発生過程を包括的に記述するとともに、各器官の発生過程のステージングを提案している。イネはそのライフサイクルの中で、完成した構造を作り上げるために、多くの発生過程を進行させる。イネは非常に複雑な胚を持つ。基本的なボディープランを確立した後に、栄養成長の juvenile phase を取り込んでいる。栄養成長期には、葉と分枝を規則的に分化する。イネの葉は形態的にも発生的にも双子葉植物と異なっている。Panicle と呼ばれるイネの花序は複雑な分枝構造と小穂を持っている。彼らは様々な器官の発生のシグナル系も提案している。このシグナル系は今後のイネ研究に大いに役立つと考えられる。
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