植物の花成は、高度に制御された生物学的なプロセスです。台湾の研究者はライスやユリ、そして特にランにおいて、花成の細胞生物学、細胞遺伝学、そして機能ゲノムミクス学の進展に大きく貢献してきました。これらの貢献に対し、PCP誌では台湾における花成研究の特集号を出版いたします。
台湾は世界でもよく知られたラン輸出国の一つです。台湾の風土は、多様な自然種の大量育成が可能であり、美しくエレガントな新種の作出に適しています。Hsiaoら (pp.1467-1486) の総説においては、ゲノミクス、形質転換技術、花成調節、花の分化の分子調節機構、匂い物質の生産や花色などのラン生物学やバイオテクノロジーの近年のめざましい進展を概説します。Changら (pp.1532-1545) とSuら (pp.1501-1514) の論文では、重要な2つのラン種属における大規模なトランスクリプトーム解析結果を報告しています。これらのトランスクリプトームのデータベースは約100,000の転写産物より構成され、ランの機能ゲノミクス研究や将来的な分子育種に向けて膨大な資源になると期待されます。
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