オカダ酸処理の有無による、青色光照射を行った野生株の葉肉細胞におけるADF1-CFPおよびGFP-fABD標識したアクチン細胞骨格の共局在 (黄色のシグナル) の違い。赤はGFP蛍光、緑はCFP蛍光、青はクロロフィルの自家蛍光を示す。
固着して生活する植物は、変転する環境変化に対処するために多くの応答機構を発達させてきた。最もよく理解されている適応機構の一つとして、光強度変化に応答した葉緑体の光定位運動があげられる。本誌の表紙を飾ったWenらの論文 (pp.1366-1379) では、高強度の青色光に誘導される葉緑体の逃避運動におけるタイプ2Aプロテイン ホスファターゼ (PP2A-2) の役割が報告されている。PP2Aの選択的阻害剤であるオカダ酸は、高強度の青色光に誘導される葉緑体の逃避運動を濃度依存的に阻害した。さらに、リン酸化アッセイやadf1 とadf3 変異体を用いた解析の結果、PP2A-2はADF/cofilin活性化し、アクチン細胞骨格の再構成を調節することによって、phot2が仲介する葉緑体の逃避運動に関与していることが明らかとなった。
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