SMALL AUXIN UP RNA41 (SAUR41) は組織特異的発現によってシロイヌナズナの細胞肥大と根の分裂組織パターン形成を個別に制御する。
オーキシン初期応答遺伝子は、Aux/IAA, GH3, SAUR の3つのファミリーに分類できるが、SAUR の機能に関しては不明な点が多い。シロイヌナズナSAUR 遺伝子は分子系統的に3つのクレードに分類されてきた。近年の研究成果により、SAUR19 (クレードII) とSAUR63 (クレードI) はオーキシン輸送を調整することで細胞肥大を促進していることが示唆されている。表紙の図はKongらによるSAUR41 の研究成果を描写している (p.609—621)。SAUR41 はクレードIII に分類され、根の分裂組織で特徴的な発現パターンを示す。図中の上下の根端の蛍光像は、コントロール株 (上) とACR4 遺伝子のプロモーター下でSAUR41 を異所的発現している株 (下) を示す。異所的発現株の根ではACR4 が発現している細胞の肥大により、静止中心と根端側幹細胞が肥大化している。これら二つの株のバックグランドはDR5rev::GFP が導入されており、その緑色蛍光シグナル部はオーキシンの蓄積およびその信号伝達が起こっている領域を示している。二つの根端像の間にある図案は根の幹細胞ニッチ構成を示しており、静止中心 (緑)、皮層/内皮始原細胞群 (茶)、表皮/根冠始原細胞群 (ピンク)、中心柱始原細胞群 (黄)、根端側幹細胞群 (コルメラ幹細胞群) (青) で示す。
Junhui Wang
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