「細胞伸長に伴う膜輸送系オルガネラの変化」
細胞増殖とその後の細胞伸長の際、合成した細胞壁成分等を輸送するために、ゴルジ体などの膜輸送系オルガネラが重要な働きを担っている。この号で、豊岡ら (pp.1544-1555) は高解像度で広域の透過電子顕微鏡 (TEM) 像を自動取得するシステムを用いて、高圧凍結固定したタバコBY-2細胞の対数増殖期と定常状態期における膜輸送系オルガネラの定量と微細構造解析を行った。その結果、対数増殖期から定常状態期に変化する際、分泌に関与するオルガネラの形態と分布が劇的に変わる事を明らかにした。
表紙の写真は、対数増殖期のタバコBY-2細胞の広域TEM像で、上から低倍像・中倍像・高倍像を並べた。高倍像は細胞壁成分等の分泌に関わる小胞クラスターと後期エンドソームにあたる多胞体のTEM像である。この表紙は、若崎眞由美、佐藤繭子、豊岡公徳 (理化学研究所 環境資源科学研究センター) が撮影、デザインした。
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