「溶質・イオンの細胞レベル RI トレーサーイメージング」
植物中における溶質の輸送・蓄積様式を解析するため、多くの手法が開発されて来た。その一つ、ミクロオートラジオグラフィ (Microautoradiography: MAR) は放射性トレーサーの細胞レベルにおける分布を銀板写真の原理で画像化する技法である。廣瀬ら (pp.1194-1202) は植物の新鮮凍結切片試料に対してMARを適用する際の手法を改良した。改良された手法はMARの作業工程における溶質・イオンの移動を最小限に留め、可溶性物質を含む多様な放射性トレーサーの解析に利用できる。
カバーイラストは放射性カドミウム (109Cd) を24時間吸収させた栄養生長期のイネ茎部の節網維管束および大維管束師部に109Cd (青の疑似カラー) が局在している様子を示している。このイラストは廣瀬が提供したMAR画像を元に、杉田亮平 (東京大学) および福井理恵 (Riopopo, http://riopopo.com/) によって作成された。
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