アブラナ科は、49連、321属、3660種からなる大きな顕花植物ファミリーの一つであり、進化や発生の研究分野において重要なモデルとなっている。今月号では、MarcsKoch らが (p. e3) アブラナ科の系統・分類・進化に関するクロスリファレンスな情報やリソースの提供を目的として開発されたデータベースシステム BrassiBase を紹介している。この植物ファミリーは複雑で高度な生物学的多様性を持つため、非専門家にとっては、莫大な進化的枠組みのなかで解析データを位置づけることは困難である。BrassiBase では、アブラナ科ファミリーの系統分類学的および系統発生進化学的研究のための個々のリファレンスシステムとなることを長期目的としている。最近の BrassiBase のアップデートバージョンでは、内部転写スペーサーをベースとした系統発生学的分析を可能とし、関連文献とリンクした詳細な細胞遺伝学的データが見れるなど様々な重要なツールが装備された。
表紙の写真は、著者による Heidelberg Botanical Gardens and Herbarium の植物像コレクションからランダムに選んだものである。また挿絵は BrassiBase の情報システムからとった。写真は、COS ハイデルベルグ (ドイツ) の MarcsKoch が提供した。
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