ホップゲノムに乾杯
ビールは世界で最も多く飲まれているアルコール飲料の一つである。ビールの主原料の一つであるアサ科ホップの雌花は毬花(きゅうか/まりはな)と呼ばれ、ビールに多様な香味を与える。本号では、夏目ら(pp. 428-441)はホップの推定ゲノムサイズ(約2.5Gbp)の約80%に相当する2.0Gbのドラフトゲノムを報告する。また、野生種と栽培種の遺伝子発現比較(PCP-Seq)を通じて、栽培化の過程で強化されて来た遺伝子群の一端を明らかにする。今回の知見はホップの育種や栽培技術の開発に役立つと期待される。
表紙は岩手県紫波町のサントリーホップ生産組合の圃場で撮影されたホップの毬花。毬花の中に形成される黄色いルプリンと呼ばれる特殊な器官で香気成分や苦味成分が生合成される。
写真撮影:小埜栄一郎(サントリーグローバルイノベーションセンター(株))
PCPギャラリー