植物の環境感覚を研究するための新技術
植物は、過酷な環境変化に対して、それを感知し応答する能力をもつ。このような応答機構を支える複雑なネットワークを解明するには、新しい解析ツールが必要である。この特集号でNagatani & Mimura (pp.1249–1251)は、高空間分解能トランスクリプトーム/メタボローム解析、先進的分光分析による分子やオルガネラの構造解析、フェムト秒レーザーによる植物細胞や植物体の操作技術などを紹介する。これら新技術は、植物の環境感覚能の研究や、ひいては植物科学のより広い分野に応用可能である。
カバーイメージは、注射針を利用した微細植物組織片採取器具(上段:日立製作所、神原秀記、梶山智晴)、Cyanidioschyzon merolae葉緑体の単粒子X線回折撮像(中段:中迫雅由、慶応大学)、イメージング質量分析によるシロイヌナズナ芽生えの解析(下段、高橋勝利、産業総合研究所)。
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