脂肪酸アシルCoAレダクターゼTaFAR1による第一級アルコールの生合成
第一級アルコールはコムギのワックスに最も多量に含まれる構成要素であるが、それがどのような経路により形成されるのかについては多くの部分が未解明である。Wangら(pp. 1944-1961)は、コムギのクチクラ形成に利用される第一級アルコールの生合成に、脂肪酸アシルCoAレダクターゼの一種をコードするTaFAR1 遺伝子が関わっていることを見いだした。水ストレスを受けた植物では、葉身におけるTaFAR1 遺伝子の発現が上昇するとともに、ワックスの蓄積が増加することから、この遺伝子をツールとして利用することにより、ワックス合成の促進された栽培品種の作出、さらには将来の食料生産の維持に貢献することが期待される。
表紙の画像は、コムギのクチクラ上での血小板型(上)および小管型(下)のワックスの結晶を示している。画像はYong Wang と Zhonghua Wang (Northwest A&F University, China)により提供された。
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