ほとんどの植物はC3型光合成をおこなうが、C4型光合成よりも効率が悪いことが知られている。C4型光合成はC3型光合成から幾度も出現してきたが、その出現したプロセスは未解明のままである。最終的にはC3型光合成をもつ穀物からC4型光合成穀物を創りだす研究に注目が集まっている。今月の特集号では、谷口らが、進化的、生化学的、生理学的な側面からみたC4光合成バイオロジーの最新の紹介、およびC4光合成研究の将来展望をまとめている (pp.879-880)。
表紙は、典型的なC3型光合成植物のDiplotaxis vimineaエダウチナズナ(上の写真)とC3とC4の中間型光合成を示すDiplotaxis tenuifoliaルッコラ(下の写真)の成熟葉の断面図である。ルッコラの維管束鞘には、中心部に向けて集まっているオルガネラが認められる。写真はU. Schlüter, A.Weber (Heinrich Heine University Düsseldorf) と M. Melzer (IPK Gatersleben)による提供(pp. 881-889を参照)。
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