春先になるとタケは地下茎の腋芽を次々と発達させ、その後、タケノコとなった腋芽は急激な伸長を示す。しかし、タケノコがどのようにして環境の変化に応答して茎(節間)伸長の開始を制御しているかはこれまでに明らかとされていなかった。Gamuyaoらは(pp. 702-716)、発生初期のタケノコを用いてトランスクリプトーム解析および植物ホルモン測定を行うことで、春先のタケノコがどのように出現、伸長を制御しているかの新たな知見を示した。タケノコの初期発生において各植物ホルモンの分布状態の違いと、伸長成長もしくは分化に関連した転写因子の部位特異的な発現には、軸方向における共通の空間的制御が関わっていると思われる。表紙は初期発生から伸長発達期までの各発生段階におけるタケノコの切片を示している。
写真は名古屋大学・生物機能開発利用研究センター永井啓祐により撮影。
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