ケシ科のハナビシソウ (Eschscholzia californica Cham.) は、ベンゾフェナンスリジンアルカロイドやパビン、プロトベルベリン等、多彩なベンジルイソキノリンアルカロイド(BIAs)を産生する。これまでの研究で、その主要な生合成経路ならびに生合成酵素遺伝子の同定が進むとともに、チトクロムP450がBIA生合成系の多様化に重要な役割を果たしていることが明らかになっている。本論文(pp.222-233)で、堀らはハナビシソウのドラフトゲノム解読を行うとともに、チトクロムP450のうちCYP82ファミリーの多様化がBIA生合成系の進化に貢献していることを報告している。
表紙は、ゲノム解読に用いられたハナビシソウの写真である(京都大学佐藤文彦博士提供)。
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