ClpSファミリーのメンバーは、細菌由来のタンパク質分解経路(N末端分解経路)で機能するN末端認識分子としてはたらく。今月号の624〜636ページで、Colombo ら は、シロイヌナズナのClpS1は葉緑体に局在することを見い出し、また標的タンパク質のN末端との相互作用を分析した。彼らは、シロイヌナズナのClpS1が低い親和性ではあるが、大腸菌のClpSと同様の基質認識の特異性を有することを見出した。さらに彼らは、大腸菌Clpsではメチオニン残基がN-認識体の特異性を微調整するためのゲートキーパーとして働くが、シロイヌナズナのClpSはアルギニン残基がその機能を代替しうることを見出した。 またAtClpS1のアルギニンから メチオニンのアミノ酸置換は、典型的なN-デグロンを認識する能力を有意に増加させた。
表紙画像は、モデルペプチドFRSKGに対するClpS1の親和性に対するゲートキーパーアミノ酸残基メチオニン(M)またはアルギニン(R)の効果。表紙は、アルゼンチンのロサリオにある、BiáníaBiologíaMolecular y Celular de Rosario(IBR-CONICET)Ocampo y EsmeraldaのGermánRosanoによって提供された合成イメージである。
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