植物細胞は極めて高い発生可塑性を持ち、生活環の中の様々な場面で再生能力を発揮する。この際には、未分化な細胞やすでに分化した細胞が細胞運命を再プログラムする過程を経る。今月の「植物における細胞の再プログラム化(Cellular Reprogramming in Plants)」特集号(杉本らによる紹介[pp. 651-655]を参照)では、微生物が植物との共生を築くために植物細胞を再プログラムする過程と、植物が傷害を受けた組織を修復し再生したり個体全体を新たに生み出すための細胞の再プログラム化過程の、大きく2つの現象に焦点を当てている。
表紙画像は、イネの根の皮相細胞内で菌根菌Rhizophagus irregularisが作る樹枝状体(左、ケンブリッジ大のHector Montero氏からの提供)とシロイヌナズナの組織培養の際にカルスの細胞が分化多能性を獲得する再分化過程におけるLBD16遺伝子の発現パターン(右、Liuら、pp. 739–748)を示している。
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