植物は広範な内因性のシグナルに応答して成長や発生を制御している。これらのシグナルには、糖、RNA、ポリペプチド、植物ホルモン、ペプチドホルモンが含まれ、篩菅や道管を通って長距離移動するシグナルとして働き植物体全体の応答調整を司ると考えられている。Hitoshi SakakibaraとYoshikatsu Matsubayashiが編集した今月の特集(スポットライト)には、最近開催された「Integrative Graduate Education and Research Program in Green Natural Sciences (IGER) International Symposium on Long-Distance Signaling in Plants」の参加者によるミーティングレポートと一連の総説が掲載されており、この分野の最新の研究内容を概説している (本号、Kiba, pp. 1697–1699)。
表紙イメージは、篩部で運搬された物質が葉や花に分布する様子を解析する目的でN. tabacumの茎の維管束を経由して葉柄まで運ばせた二酢酸フルオレセイン(緑色蛍光物質)の共焦点顕微鏡像(独国ポツダムのMax Planck Institute of Molecular Plant PhysiologyのFriedrich KraglerとWenna Zhangによる撮影)。色素体の自家蛍光と維管束組織の細胞壁の自家蛍光はそれぞれ赤色と青色で表示している。
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