穀物のデンプン粒の特徴として、炭水化物性のポリマー分子類に強く結合するリゾホスファチジルコリン(LysoPC)の存在が挙げられる。本号(pp. 139-151)において、Gayralらは、MALDIイメージング質量分析と脂質関連遺伝子群の発現解析を用いて、成長中のトウモロコシの胚乳でのデンプン結合性LysoPCの時空間的な沈着について報告し、小胞体とアミロプラストの間での脂質輸送に関する新しい仮説を提案している。
表紙イメージは、左から順に、16:0-LysoPC、18:2-LysoPC、18:1-LysoPCに帰属されるMALDIイメージング像を示している。上図はデント種、下図はフリント種のトウモロコシの受精45日後の胚乳の縦断像である。(画像はFrench National Institute for Agricultural Research、Biopolymers Interactions Assemblies LabのM. Fanuel氏とM. Gayral氏からの提供)
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