酸化ストレス時におけるシロイヌナズナの根でのROS(活性酸素種)の蓄積により、オーキシンの蓄積量が変わりオーキシン排出体であるPINタンパク質の細胞膜への局在も減少することが知られている。本号(pp.255-273)においてZwiewkaとBielachらは、細胞膜から初期エンドソームへの輸送におけるアクチン結合型制御因子BEN1(ADPリボシル化因子のグアニンヌクレオチド交換タンパク質)がアクチンの動態を制御するにあたり、PIN2タンパク質のエンドソームを介したリサイクリングに対して過酸化水素がどのように影響を与えるのかを報告している。
表紙イメージは、芽生え7日目のシロイヌナズナを2 mMの過酸化水素で2時間処理した際の根端におけるROS(活性酸素種)の局在を、ROSの蛍光プローブであるH2DCF-DAを用いて共焦点顕微鏡で観察したものである(緑色の蛍光)。蛍光シグナルは根の全体で見られ、表皮でシグナル強度は最大となっている。細胞レベルではROSは表皮の核と細胞質の両方に蓄積している。(写真は、チェコ共和国マサリク大学CEITECのAgnieszka Bielach氏による提供)
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