植物の物理的な強度は倒伏抵抗性や収量に大きくかかわり、ソルガム(Sorghum bicolor)においても農業上の重要形質の1つである。本号(pp. 788–801)において、Liらは、ソルガムのbrittle culm 1 (bc1)遺伝子の変異により、植物体全体の形状には変化がないまま、物理的強度の低下、セルロース顔料の低下、リグニン含量の上昇が引き起こされることを報告している。この遺伝子はイネのOsBC1やシロイヌナズナのAtCOBL4に相同性のあるCOBRA様タンパク質をコードしており、ホスファチジルイノシトール結合型タンパク質(GPIアンカー型タンパク質)に典型的な構造上の特徴を有していた。その解析結果から、穀物種のセルロース生合成におけるCOBRA様タンパク質の役割を提案している。
表紙イメージはソルガムのbc1変異体。挿入写真は野生型の葉(右)と変異体の脆く折れやすい葉(左)。写真は中国農業大のHongwei Cai氏からの提供。
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