アサガオ(Ipomoea nil)は、日本で古くから親しまれている園芸植物である。幅広い色の花があるが、鮮やかな黄色い花は存在していない。しかし不思議なことに、江戸時代に出版された図譜には黄色い花がくり返し記載されており、「幻の朝顔」と呼ばれてきた。著者らは(pp. 1871–1879)黄色いフラボノイドの一種であるオーロンの代謝工学により黄色い花を作り出した。オーロンの生合成に関わるキンギョソウの2つの遺伝子を、薄いクリーム色の花を咲かせるカルコン異性化酵素遺伝子の変異体に導入したところ、キンギョソウとおなじオーロンと新規のオーロンにより、幻の朝顔のように鮮やかな黄色い花が咲いた。
表紙イメージはキンギョソウの2つの遺伝子(オーロン合成酵素とカルコン4´配糖化酵素遺伝子)を発現する形質転換アサガオ(基礎生物学研究所の星野敦博士提供)。
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