ペクチンは細胞外マトリクスにおいて細胞壁を強化し、かつ細胞間接着に重要なゲルを形成している。シロイヌナズナの種子ムシレージはペクチンに富んでおり、E3ユビキチンリガーゼのFLYING SAUCER1(FLY1)など、ペクチン生合成に関与する遺伝子を同定するためのモデルの一つとなっている。本号(pp. 308-317)において、KuniedaらはFLY1ホモログであるFLY2がFLY1とともに種子ムシレージのペクチンのメチルエステル化を制御していることを明らかにした。
表紙イメージは、吸水したシロイヌナズナの種子をCalcofluor Whiteで染色した写真である。ムシレージのセルロース繊維が種皮表皮細胞から放射状に伸びている様子が観察できる。写真は奈良先端科学技術大学院大学の國枝正博士からの提供。
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