植物が水分屈性、重力屈性、光屈性を示すことはよく知られているものの、これまで栄養に対する屈性が実験的に示されたことはなかった。本号(pp. 546–553)において山崎らは、イネの側根が栄養源に向かって屈性応答を示すことを発見した。この側根の伸長方向の変化が窒素栄養であるアンモニウム(NH4+)の濃度勾配によって引き起こされることを明らかにしたことで、植物の根が栄養に向かって動く力を持つことを初めて実証した。
表紙イメージはイネ(Oryza sativa L. cv. Taichung 65)側根における栄養屈性の様子である。左のパネルでは、10× MSを含む栄養源付近にある側根が栄養屈性を示しその栄養源に集まった。それに反して、栄養を含まないmock付近の側根は24時間以内に通り過ぎた(右パネル)。写真は東京大学の山崎清志博士からの提供。
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