植物は環境の変動に絶えずさらされるため、環境の変化を感知し、その変化に応じて成長、生理機能、および発生に関して応答する能力をもつ。作物の農業形質はしばしば成長段階の後期で現れるものの、それらの形質は植物の生活環全般にわたって持続した作物と環境の相互作用への蓄積効果によって影響を受けることがますます明らかになってきている。したがって、この関係を理解することは作物と環境の相互作用についてのより深い知見を得るために重要であり、気候に強い作物の品種の育種の手助けになる。平山隆志氏、Alexander E. Lipka氏、持田恵一氏が取りまとめた本特集号では、さまざまな作物種における植物と環境の相互作用を理解するのに役立つ新しいストラテジーに焦点を当てている(1381–1383ページのEDITORIALを参照)。
表紙は、さまざまな環境条件下での多様な植物種を示している。(右上から時計回りに)トウモロコシ(出典:W. Brandt氏 @Unsplash)、海岸沿いに生育する野生のアスパラガス(A. kiusianus)(画像提供:菅野明氏、東北大)、干ばつストレス下のコムギ(出典:M. Abdelrahman氏、アスワン大)、オオムギ(画像提供:持田恵一氏、理研)、ヒヨコマメ(出典:ICRISAT)。表紙には、ホルモン応答に関連するオオムギ遺伝子の染色体上の位置を示す円形プロット、環境要因の測定値をプロットしたグラフ(出典:平山隆志氏、岡山大)、作物の一生(ライフコース)のイラスト(出典:持田恵一氏、理研)も描かれている。背景画像の出典:Noaa @Unsplash。
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