Plant & Cell Physiology
2021 vol62 (4)
ミネラルは植物の成長と発達に不可欠な要素である。マクロおよびミクロな養分は植物の根によって土壌から取り込まれ、広範な過程での利用のために植物体のさまざまな部位に移動する。作物の収量を高めるため養分吸収と転流を最適化することを目的として、多くの輸送体とその調節因子を明らかにすべく植物栄養の研究は近年進展してきた。 MaとTsay(539-540ページ)によって紹介された今回の特集号は、植物におけるミネラル輸送体、それらの制御因子と利用などの局面をカバーする研究論文と総説とで、この分野の最新の知見を提供する。
表紙の画像は、植物におけるミネラル輸送の仕組みを簡略化して示している。 土壌中のミネラルは、さまざまな輸送体を用いて根に取り込まれ、木部輸送を介してシュートに移動する(赤線)。次に、いくつかのミネラルは、維管束間または維管束内の移動(青矢印)を介して篩部に移動し、成長中の器官に分配される(青線)。白い点線は、ミネラル量の環境変動に応答して輸送体を調節するためのシュートからのシグナルを示す。イラスト提供:馬建鋒氏(岡山大学)、協力:山地直樹氏(岡山大学)。
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