光合成生物は、光合成と光防御を介して光エネルギーを利用および散逸する二重のメカニズムをそれぞれ獲得した。 さらに、葉緑体の可塑性により両方のプロセスの微調整が可能になり、環境条件への植物の適応において主要な役割を果たしてきた。Michael Hippler氏、皆川純氏、高橋裕一郎氏が企画した本特集号では、光合成と光阻害のバランスを確立し最適化するメカニズムに関する最先端の研究を紹介する5編の総説と3編の研究論文を提供し、さらにこれらの知見を利用した遺伝子工学による光合成効率の改良方法を探る。
表紙は、P. tricornutum(珪藻)の光化学系I(PSI)とP. tricornutumまたはM. braunii(緑藻)シトクロム c6(Cc6)間の効率的な電子移動(ET)の最良エネルギーのドッキングモデルを示している。PSIの膜脂質およびPsaA / Bサブユニット(薄い灰色)、PSIのPsaFサブユニット(濃い灰色)、P700(緑色)およびP. tricornutumのCc6(青色)またはM. braunii(薄い茶色)が描かれており、P700とシトクロムの間のET経路にあるPSIのW652 / W624残基も示されている。詳細については、Castell et al(1082-1093ページ)を参照のこと。
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