バナナ品種「Fenjiao」(Musa ABB Pisang Awak)は、中国で広く栽培・消費されている人気のバナナで、良い風味と非生物的ストレスに対する高い耐性を持っている。しかし、「Fenjiao」の果実は他のバナナ品種に比べて保存期間が短く、11°C以下にさらされると低温障害を受けやすく、細胞壁とデンプンの異常な分解による果実の軟化障害や望ましくない色に繋がる。Songら(49-67ページ)は、転写因子MaCCCH33-Like2がMaEBF1およびMaABI5-likeタンパク質と相互作用し、デンプンおよび細胞壁の分解に関連する遺伝子を正の方向に調節することを発見し、果実の軟化を調節する新たな調節モジュールとしてMaCCCH33-like2/MaEBF1/MaABI5-likeを同定した。この成果は、バナナの軟化障害の影響を軽減し、品質と商業価値を向上させ、中国における農村の観光や振興に役立つであろう。
表紙画像は、「Fenjiao」バナナの木で人工的に成熟させた果実。
【画像提供:Xiaoyang Zhu、Weixin Chen(中国 華南農業大学)】
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