胡蝶蘭(Phalaenopsis orchid)は、世界中で最も人気のある観賞植物の一つである。この植物のユニークな特性として、花の開花期間が長く、花の寿命が長いことが挙げられる。本研究において、Mao博士らはHD-ZIP II 転写因子PaHAT14が、胡蝶蘭の花片において、水分損失から花器官を保護するクチクラの沈着を調節・維持していることを明らかにした。さらに著者らは、PaHAT14は、下流の転写因子PaERF105の発現を抑制することで、この機能を果たしていることを示した。
表紙画像は、PaHAT14を過剰発現させた胡蝶蘭の花弁の背軸側(裏側)において、クチクラ沈着が顕著に増加している様子。クチクラ沈着は、オイルレッド染色によって可視化し、共焦点レーザー走査顕微鏡で検出した。
写真提供: Wan-Ting Mao博士 および Wei-Han Hsu博士(国立中興大学、台湾)。
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