原形質連絡(plasmodesmata)は、細胞間コミュニケーションを担う重要な経路である。しかし、植物における原形質連絡の保存性や多様性については、これまで十分に解明されていなかった。本号でHsuらは苔類のモデルであるゼニゴケ (Marchantia polymorpha) において、原形質連絡の構造が単純な形態から複雑な形態へと発達すること、さらに原形質連絡におけるカロース(β-1,3-グルカン)の蓄積が保存的な特徴であることを示した。加えて、原形質連絡の透過性は発達ステージ特異的あるいは組織特異的に制御される可能性も示唆された。
表紙画像は、ゼニゴケの杯状体から直接採取した無性芽における、原形質連絡でのカロースの蓄積を示している。無性芽はアニリンブルー染色液に浸漬した後、共焦点レーザー顕微鏡により撮影された。不連続なシグナルは、ほとんどの細胞の間に存在する細胞壁上の原形質連絡の位置を示している。
写真提供者: Kuan-Ju Lu博士(国立中興大学・台湾)
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