植物は変動する環境や他生物に対応するための多様な戦略を進化させてきた。近年、ゲノム解析技術の発展にも支えられ、モデル生物のみならず野外の非モデル生物の諸形質の分子遺伝学的基盤に関する理解が飛躍的に進んでいる。土松隆志、佐々木江理子、佐藤安弘、Vincent Castricが編集した本特集号では、自然環境下における植物の遺伝的および分子的動態に関する計16報の最先端の原著論文・総説論文が収録されている。
表紙の写真は、ハクサンハタザオの花に花粉媒介者のビロウドツリアブ(ツリアブ科)が訪れる様子である(撮影:須田崚)。