植物は光合成によりCO2を炭水化物に変換する。これまでの多くの研究は、植物が高濃度のCO2にどう応答するかに焦点を当ててきたが、低濃度のCO2への応答については十分に解明されていなかった。本号でYonedaらはこの応答の調節に植物ホルモンが関与する可能性を調査し、低CO2条件下でサリチル酸とアブシジン酸の濃度が上昇することを見出した。さらに、サリチル酸の増加は非必須遺伝子の発現を抑制し、細胞死関連遺伝子の発現に影響を与えることが示された。
表紙イラストは、CO2の減少がサリチル酸の蓄積を引き起こし、その結果、遺伝子発現の変動が生じるという概念を視覚化したものである。アートワークは、アンカーデザイン株式会社(日本・今治市)の智内三知江と岡田昌平が制作した。
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