種子植物は日常的に病原体にさらされているが、必ずしも症状を示すわけではない。本号において、晝間らは、根に定着する内生菌Colletotrichum fructicola(CfE)と近縁の病原菌C. gloeosporioides(CgP)を、圃場の無症状のアブラナ科植物から同定して詳細な解析を行い、この現象において有益微生物が果たす役割を解明した。彼らは、内生菌CfEがおそらく抗真菌性代謝産物を産生して病原菌の増殖を抑制しており、一方でCfEの内生的な定着と宿主を保護する機能は宿主由来のトリプトファン系抗菌代謝産物に依存していることを見出した。これらの知見は、病害の進行を回避するために、宿主がどのように菌類間の競争を制御しているかを浮き彫りにしている。本号掲載のWangによる解説記事も参照されたい。
表紙画像は、GFPを発現する内生菌 Colletotrichum fructicola による根の定着の様子を描いている。A. thaliana の細胞膜は、mCherryを融合したアクアポリン(マゼンタ)によって可視化されている。写真提供:宮島俊介博士(石川県立大学)
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