細胞の死は、動物と植物で大きく異なっています。植物細胞は動物と違ってマクロファージなどを持たないために、自分自身で自分の体を壊さなければいけません。基礎生物学研究所の林氏らは本号 (pp.894-899) でシロイヌナズナの新規プロテアーゼ輸送体を報告しています。この輸送体は正常な細胞では不活性で、細胞がストレスや障害を受けるとその細胞が細胞死に至る過程で活性化し働きます。この輸送体 (ERボディと名付けられた) は芽生えの表皮細胞に発達します。これらの細胞では環境からのストレスや昆虫の食害によって容易に傷つきます。芽生えがストレスを受けると、ERボディは互いに、あるいは液胞と融合を始め、液胞にプロテアーゼの前駆体を運びます。
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