植物の開花は日長によって大きく影響され、イネとシロイヌナズナはそれぞれ短日および長日条件で開花が促進されます。本号1096-1105ページでは小島らによって、シロイヌナズナの開花促進遺伝子FTと高い類似性を示すHd3a遺伝子が、イネにおいても同様に開花促進に関与することを報告しています。
Hd3aセンスおよびアンチセンス遺伝子の過剰発現個体は、それぞれ早期出穂・開花 (左) および出穂・開花遅延 (右) を引き起こします。イネとシロイヌナズナの開花関連遺伝子には、もう一つの機能的に保存された遺伝子Hd1およびCO遺伝子が存在し、Hd3aおよびFT遺伝子はこれらの遺伝子よって、それぞれ短日および長日条件において転写が誘導されます。これらの機能的に保存された遺伝子群の発現制御の違いが、短日植物と長日植物の開花習性の決定において重要だと考えられます。
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