ペルオキシソームは真核細胞に普遍的に存在する直径 1mm ほどの球状のオルガネラです。図はシロイヌナズナの各器官で、ペルオキシソームへの輸送シグナルをもつタンパク質の遺伝子の発現を、ペルオキシソーム遺伝子を網羅したDNAマイクロアレイを用いて調べた結果です。シロイヌナズナの全ゲノム配列情報からペルオキシソーム遺伝子を網羅的に集めたところ、286もの遺伝子が存在しましたが、既知のペルオキシソームタンパク質は29種類であることから、ペルオキシソームが未知の機能をもつことが示唆されました。マイクロアレイの結果から、シロイヌナズナのペルオキシソームの分化は、各器官共通に発現する遺伝子群に加え、黄化子葉、根、緑化子葉、緑化子葉と本葉における器官特異的な遺伝子の発現によってなされていることが明らかになりました。このことから、植物のペルオキシソームは新たに、グリオキシソーム、子葉ペルオキシソーム、緑葉ペルオキシソーム、根ペルオキシソーム、その他のペルオキシソームの5種に分類できました。
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