T-DNA挿入ラインのスクリーニングにより、これまでに多くのシロイヌナズナの変異体が取得されてきた。Jung らはイネのT-DNA挿入ラインのプールを構築してきた。今回、その中から、クロロフィル欠損を示すT-DNA挿入ラインの一つについて報告している。このラインは、オオムギのXANTHA-F 遺伝子およびシロイヌナズナのCHLH遺伝子にホモロガスな遺伝子にT-DNAが挿入されている。このOsCHLH 遺伝子は、テトラピロール生合成系におけるクロロフィル分岐の鍵酵素である Mg-chelatase の大サブユニットをコードしている。T-DNAにはGUS 遺伝子が含まれているため、写真にあるようにどの組織で遺伝子が発現しているか容易に検出できる。彼らはOsCHLH 遺伝子の中にTos17 が挿入されたラインも2種類取得しているが、イネ遺伝子の機能解析にT-DNA挿入ラインが使用されたのは、この報告が最初である。
PCPギャラリー