社会からの期待に応え、
教育と研究の自由を保障できる
社会環境を育てる。

日本植物生理学会
会長 西村いくこ

日本植物生理学会 会長 西村いくこ

 2014年1月から2年間、会長をお引き受けすることになりました。重責に戸惑いもありますが、植物生理学会に育てられてきたものとして学会の発展のためにお役に立てることができれば幸甚です。

 1959年に誕生した日本植物生理学会は、創立55周年にあたる本年大きな転換期を迎えました。この半世紀余り、植物生理学会は多くの学会関係者の方々のご尽力により順調な発展を続けてきましたが、2014年1月6日に 「一般社団法人日本植物生理学会」 として新たな第一歩を踏み出しました。この法人化は7年余りの歳月をかけて実現したもので、尽力下さった皆様には心から感謝いたします。これまで任意団体として独自の活動を展開してきた植物生理学会は、これを機に一般社団法人 (非営利型) という法人格をもつ学会として活動することになります。法人化に至る経緯と法人組織としての運営や事業の詳細については、学会通信や年会で説明させていただきます。法人化によって、これまで学会が行ってきた学術活動が大きく変わることはありませんが、これまで以上に社会からの期待に応える姿勢が求められことになります。その一方で、教育と研究の自由を保障できる社会環境を育てる責任も忘れてはならないと思います。

 植物生理学会は、国際的にも植物科学を牽引する代表的な学会の一つとして認められるようになりました。これを象徴しているのが、学会誌 Plant and Cell Physiology (PCP) です。今年度から、PCPの冊子体の国内会員への配布は選択制となり、配布を希望しない場合には年会費の割引という特典が適用されます。また責任著者が会員である場合には、論文掲載料と超過ページのページチャージが割引されます。このような特典の設定を可能にしたのは、歴代の編集長はじめ編集実行委員の先生方の情熱と努力のおかげと言えます。PCPは、現在国内で出版されている学術誌としてトップのインパクトファクターを誇る雑誌でもあります。学会誌PCPの刊行は学会の主要な事業です。冊子を手にする機会は少なくなるでしょうが、会員の皆様には身近な雑誌として、また学術成果の発信の手段として活用していただければと思います。

 植物生理学会は、植物学会と共同で2014年10月から1年余の期間、男女共同参画学協会連絡会 (国内82学協会が参加) の幹事学会を務めます。国内の植物科学の発展に貢献している植物生理学会と植物学会の女性会員比率は、他の生物系の学会と大差ありませんが、年会シンポジウムの企画者と発表者の女性比率が高いという特徴をもちます。即ち、女性研究者の活躍が目覚ましい学会と言えます。また、植物生理学会は、若手会員の比率も高い学会です。将来リーダーとして活躍する若手研究者や女性研究者に活躍の場を提供できる学会の運営を心がけていきたいと考えます。

 この10年余で学会の活動内容は多岐にわたるようになってきました。しかし、会員の研究教育活動を支えるという学会の本来の目的に変わりはありません。会員の皆様からの積極的なご意見やご提案を歓迎したいと思います。

学会活動