開催概要

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シンポジウム
◆S01 フィールドにおける植物の理解とその制御に向けた基盤技術創出

Understanding of field plants and development of innovative techniques toward these plant regulation

日 時:
年会1日目 3月13日(水) 9:30~12:30
会 場:
A会場
オーガナイザー:
山口 暢俊(奈良先端科学技術大学院大学),水多 陽子(名古屋大学),菅野 茂夫(立命館大学)

フィールドで育っている植物は,多くの刺激を受けながら,他の生物と共存している.しかしながら,これまで行われてきた植物の実験は主に実験室の中で行われたものであったため,様々な要因が存在するフィールドでどのように植物が生きているのかについては不明な点が多い.近年,1)フィールドでの植物の理解,2)実験室でのフィールド環境の再構成実験,3)フィールドでも利用可能な次世代基盤技術の創出など,フィールドでの植物の生き方をより深く知るための試みが積極的に行われている.本シンポジウムでは,JSTさきがけ「フィールド植物制御」研究領域の若手研究者らによる最新の研究成果をもとに活発な意見交換を行い,本研究分野の今後を展望する.

環境変化の記憶を制御する分子基盤の解明

山口暢俊(奈良先端科学技術大学院大学,JST さきがけ)

カキから紐解く「性」の進化と多様化機構

赤木剛士(京都大・院農学,JST さきがけ)

野外環境におけるムギ類うどんこ病菌と宿主植物の遺伝子発現動態

吉田健太郎(神戸大学・院農,JST・さきがけ)

植物-マイクロバイオータ超個体の生命活動ネットワーク解明

市橋泰範(理化学研究所 バイオリソース研究センター)

オーキシンシグナルの精密制御

萩原伸也(理研・環境資源科学研究センター,名古屋大学・ITbM)

植物体内物質動態に関する表現型の定量評価基盤技術の構築

田野井慶太朗(1東大・院農,JST さきがけ)

花粉管をベクターとした生殖細胞の遺伝子改変と植物生殖機構の解明

水多陽子(1JST・さきがけ,2名大・ITbM)


◆S02 光合成電子伝達の最終局面

The final phase of the photosynthetic electron transport

日 時:
年会1日目 3月13日(水) 9:30~12:30
会 場:
B会場
オーガナイザー:
増田 真二(東京工業大学),伊福 健太郎(京都大学)

新しい分光測定や構造解析技術,および,ゲノム編集に代表される遺伝学的解析法の進歩に伴い,光エネルギーで駆動する電子伝達反応にドライブされる光合成のエネルギー代謝研究が再び活発化し,教科書中の既存モデルの更新・再構築を迫るような実験結果が,近年,日本から相次いで報告されている.本シンポジウムでは,光合成電子伝達鎖の最終ステップの電子の動きに着目した最新の研究成果を共有・議論することで,現時点での我々の理解を深めると共に,関連研究の今後の方向性を見出したい.

活性酸素生成抑制から始まる光合成電子伝達反応制御の世界~何も,いまだに明らかではない~

三宅親弘(神戸大学大学院 農学研究科)

遠赤色光による陸上植物光合成の調節

河野優(東大・院・理・植物生態)

光化学系I からフェレドキシンへの電子移動のメカニズム

河合(久保田)寿子(山形大・理学部)

光合成における電子受容体NADP+ 供給システムと電子伝達の交互作用

橋田慎之介(電中研・環境研・生物環境)

プロトン駆動力を介した光合成電子伝達の調節

鹿内利治(京都大学理学研究科植物学教室)

C4光合成における循環的電子伝達の役割

小川敬子(関西学院大・理工)


◆S03 幹細胞から迫る植物の生存戦略

Understanding the plant survival strategies from the perspective of stem cells

日 時:
年会1日目 3月13日(水) 9:30~12:10
会 場:
N会場
オーガナイザー:
梅田 正明(奈良先端科学技術大学院大学),榊原 均(名古屋大学)

植物は幹細胞の多能性を維持するとともに,体細胞のリプログラミングを容易に行うことにより,持続的かつ永続的な生命力を発揮している.一方,動物の多能性幹細胞は初期胚以降すぐに消滅し,成体では限られた種類の細胞にのみ分化することができる組織幹細胞が主たる幹細胞となる.したがって,動植物の幹細胞システムは大きく異なると考えられるが,その本質的な違いは未解明のままである.本シンポジウムでは,新学術領域「植物多能性幹細胞」の計画研究代表者が最新の研究成果を紹介し,植物の幹細胞の特性について様々な切り口から話題を提供する.幹細胞の増殖・新生・多能性の維持機構について真正面から議論する場としたい.(新学術領域研究「植物の生命力を支える多能性幹細胞の基盤原理」との共催シンポジウムとして開催する.)

Towards understanding mechanisms controlling indeterminacy of plant stem cells

Junko Kyozuka (Tohoku Univ. Life Sciences)

Mechanisms for the timing of the stem cell production in plants

Shinjiro Yamaguchi (Kyoto Univ., Inst. Chem. Res., Tohoku Univ., Grad. Sch. Life Sci.)

Role of cytokinins in maintenance and modulation of shoot meristem activity

Hitoshi Sakakibara (Grad. Sch. Bioagr. Sci., Nagoya Univ.)

Gene regulatory networks in root nodule symbiosis

Makoto Hayashi (RIKEN, CSRS)

Genome maintenance strategies in stem cells

Masaaki Umeda (Grad. Sch. Sci. Tech., NAIST)

Direct roles of MUTE in termination of asymmetric cell division and orchestration of stomata differentiation

Soon-Ki Han (ITbM, Nagoya University)

Cell division in moss stem cells

Gohta Goshima (Nagoya University)


◆S04 植物の力学的最適化戦略をよみとく

Strategies of mechanical optimization in plants

日 時:
年会1日目 3月13日(水) 14:00~17:00
会 場:
A会場
オーガナイザー:
上田 晴子(甲南大学),澤 進一郎(熊本大学)

建築構造学の分野では,建築物のサステナビリティを維持するために,地震や強風などの動的な外力に対して構造体を制御して損傷を低減する「免震・制振・スマート構造」などの概念がある.一方,植物は,刻々と変化する環境に適応しながら成長を続ける能力を獲得したサステナブルな構造物とみることができる.本シンポジウムでは,このサステナビリティに大きく貢献すると考えられる植物の力学的最適化戦略について,細胞・組織・器官レベルでの研究を紹介する.また,変化する力を測定するための最新技術を紹介し,植物を構造力学的に捉えることの意義とその発展性について探る議論の場としたい.
(新学術領域研究「植物構造オプト」との共催を予定しています)

二次細胞壁の形成制御による植物発生の力学的最適化戦略

出村拓(奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科バイオサイエンス領域)

ジグソーパズル型葉表皮細胞の力学的最適化戦略を探る

檜垣匠(熊本大・IROAST)

植物の器官屈曲と復元力による姿勢制御機構

上田晴子(甲南大学 理工学部 生物学科)

高感度バイオセンサーを用いた植物の構造力学的研究

豊田正嗣(埼玉大・院理工)

レーザーと原子間力顕微鏡を用いた単一レベルの植物細胞操作

細川陽一郎(奈良先端科学技術大学院大学 物質創成科学領域)

植物生理学と構造工学

川口健一(東京大学 生産技術研究所)


◆S05 生存戦略としての植物の物質代謝

Metabolisms as Survival Strategy in Plants

日 時:
年会1日目 3月13日(水)14:00~17:00
会 場:
B会場
オーガナイザー:
山崎 真巳(千葉大学),士反 伸和(神戸薬科大学),關 光(大阪大学)

植物は,多様で動的な代謝すなわち化学反応を有することにより地球環境に適応し生き残ってきた.本シンポジウムでは最近植物代謝について明らかにされた巧妙なシステム,すなわち分子レベルの触媒機構,制御,進化ならびに生物間相互作用など多視点から概観するとともに今後の可能性について討論する.

Polyphenolic polymorphism found in neo-functionalization related to production of UV light protectants

Takayuki Tohge (NAIST)

A heat-inducible lipase remodels chloroplastic glycerolipids in Arabidopsis leaves

Yasuhiro Higashi (CSRS, RIKEN)

Importance of chemical information on insect-plant network

Masaaki Kotera (Dep. Eng., Univ. Tokyo)

Investigating biosynthesis and regulation of plant triterpenoids: towards the elucidation of their biological functions

Hikaru Seki (Grad. Sch. Eng., Osaka Univ)

Transporters of secondary metabolites —Identification, characterization, and possible application to synthetic biology—

Nobukazu Shitan (Kobe Pharm. Univ.)

Neo-functionalization of enzymes commits to biosynthesis of bioactive alkaloids

Mami Yamazaki (Grad. Sch. Pharm. Sci., Chiba Univ.)


◆S06 ABA情報伝達を介した環境変化に対する植物の適応戦略

Plant adaptation strategies via ABA-mediated signaling in change of environmental conditions.

日 時:
年会1日目 3月13日(水) 14:00~16:50
会 場:
F会場
オーガナイザー:
木下 俊則(名古屋大学),西村 宜之(農研機構),高橋 史憲(理化学研究所)

2009年にアブシジン酸受容体PYR/PYL/RCARが同定されてから約10年が経とうとしている.しかしアブシジン酸を介した様々な生理応答や,他のシグナルとのクロストークなど,詳細は未だ不明である.本シンポジウムでは,最近発見された新たなアブシジン酸の制御,およびその情報伝達の知見や疑問を共有し,植物が持つアブシジン酸情報伝達を介した環境変化に対する適応戦略を考察する.また,これらの知見を活かした農作物への応用など今後の展開についても議論したい.

New Insights into Drought-Linked Stomatal Movements and Abscisic Acid Signal Transduction

Julian I. Schroeder1, (Division of Biological Sciences, University of California, San Diego, USA)

Chemical genetics for elucidating stomatal movement

Yusuke Aihara1, (Grad.Sch.Sci., Nagoya Univ.)

A regulatory system of seed dormancy and germination regulated by abscisic acid signaling

Noriyuki Nishimura (ISC, NARO)

Phosphoproteomics of Highly ABA-Induced1 (HAI1) reveals new factors in growth and RNA splicing regulation during drought stress.

Paul Verslues (Academia Sinica, Institute of Plant and Microbial Biology)

Conserved and diversified signaling mechanisms revealed by molecular studies of ABA responses in bryophytes

Daisuke Takezawa, (Saitama University)

Long-distance peptide signaling in drought stress responses

Fuminori Takahashi1, (RIKEN CSRS)


◆S07 C4光合成を支える仕組みを解く

Find out the mechanism supporting C4 photosynthesis

日 時:
年会2日目 3月14日(木)9:00~11:40
会 場:
B会場
オーガナイザー:
宗景 ゆり(関西学院大学),古本 強(龍谷大学)

C4光合成は熱帯や温帯の草原に生息する被子植物において複数の系統で独立に獲得された,いわゆる収斂進化の形質の一つである.C4光合成では,CO2をC4化合物として固定し,リブロース1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(RuBisCO)が存在する区画化された場所へ運んで脱炭酸することで,CO2分圧を局所的に高めている.このためC4光合成を営む植物は光呼吸が促進される高温や乾燥条件下でも高い光合成活性を維持することができる.葉肉細胞と維管束鞘細胞を分業化させた二細胞でC4光合成を行う植物が大多数を占めるが,一細胞でC4光合成を行う種も同定されている.本シンポジウムでは,C4光合成を支える様々なメカニズムについて,国内外の研究者に最新の知見を提供いただく.C4光合成を多面的に理解することで,C4光合成研究のさらなる発展と作物のC4化分子育種への道が開けることを期待する.

Evolutionary Assembly of C4 Leaf Structure

Tammy Sage (University of Toronto Department of Ecology & Evolutionary Biology)

Organelle positioning in C4 photosynthetic cells

Mitsutaka Taniguchi (Grad. Sch. Bioagricul. Sci., Nagoya Univ.)

Electron transport and energy production in chloroplasts of NADP-ME type C4 plants

Yuri Munekage (Sch Sci Tech, Kwansei Gakuin Univ.)

Optimum integration of C4 cycle into Calvin-Benson cycle

Tsuyoshi Furumoto (Ryukoku University, Faculty of Agriculture)

The molecular evolution of C4 photosynthesis

Julian Hibberd (Downing Street, Cambridge, CB2 3EA)

Mechanisms regulating differentiation and positioning of the two chloroplast types in single-cell C4 species

Sascha Offermann (Leibniz University Hannover, Institute of Botany)


◆S08 植物の細胞はどのように分化運命を記憶し、それを書き換えるのか

How to inherit and rewrite cellular memory in plants

日 時:
年会2日目 3月14日(木) 13:30~16:00
会 場:
A会場
オーガナイザー:
池内 桃子(理化学研究所),玉田 洋介(基礎生物学研究所)

植物の発生において体細胞は分化運命を維持しながら分裂するが,発生シグナルや外的刺激に応答してアイデンティティを大規模に変えることもできる.植物において単一細胞あるいは単一細胞種で遺伝子発現プロファイルやクロマチン状態を解析する技術の進歩に伴い,植物の細胞が分化運命を「記憶」し,刺激に応じて記憶を「書き換える」現象の分子実体を理解できるようになってきた.本シンポジウムでは,エピジェネティック制御による細胞記憶,および再生過程で細胞記憶を書き換えるメカニズムについて多角的に議論する.(新学術領域「環境記憶統合」共催)

Mechanisms underlying cell fate specification and plasticity

Roger Deal (Emory University, Department of Biology)

Reconfiguring the A. thaliana epigenome by bypassing epigenetic resetting in the germ line

Claude Becker (Gregor Mendel Institute of Molecular Plant Biology, Austrian Academy of Sciences)

Balancing act in the control of plant cell reprogramming

Momoko Ikeuchi (RIKEN CSRS)

de novo Meristem Formation at Single Cell Resolution

Idan Efroni (The Hebrew University)

Role of the histone variant in the regulation of cellular memory

Yosuke Tamada (Div. Evol. Biol., Natl. Inst. Basic Biol., Sch. Life Sci., SOKENDAI)


◆S09 植物ミネラル輸送体:機能から構造、モデリングまで

Plant mineral transporters: from function to structure and modelling

日 時:
年会2日目 3月14日(木) 13:30~16:00
会 場:
B会場
オーガナイザー:
馬 建鋒(岡山大学)

ミネラルは植物の生育に欠かせない栄養素である.近年ミネラルの吸収や転流,分配/再分配に関わる多くの輸送体が同定されてきた.本シンポジウムでは,特別推進研究「作物のミネラル輸送システムの統合解析」との共催で,台湾のTsay先生を始め,ミネラル輸送体において世界的な業績を上げている国内外の研究者により,輸送体の機能,制御,構造とモデリングに関する最新の成果について講演していただき,ミネラル輸送体の将来を展望したい.

Node-based transporters for preferential distribution of mineral elements

Naoki Yamaji, (IPSR, Okayama Univ.)

IRON MAN to the rescue: how plants take up iron

Louis Grillet (IPMB, Academia Sinica, Taiwan)

Regulation of nitrogen acquisition under low availability and beyond

Takatoshi Kiba (Grad. Sch. Bioagr., Nagoya Univ.)

Sensing external and internal nitrate by transceptors

Yi-Fang Tsay (Institute of Molecular Biology, Academia Sinica, Taipei, Taiwan)

Structure of a silicon transporter in plant

Yasunori Saitoh1, (Research Insititute for Interdisciplinary Science, Okayama Univ.)

Integrated micro-scale and macro-scale modeling of silicon transportation system in rice

Gen Sakurai (Institute for Agro-Environmental Sciences, NARO)



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広告・出展等の募集について 協賛企業・団体一覧 JTPB2019

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