一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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花を咲かせる遺伝子

植物は、通常、発芽してすぐに花を咲かせることはありません。それは、植物が花芽をつくる状態になることを促すような遺伝子 (簡単のために 「花を咲かせる遺伝子」 と呼ぶことにします) が、発芽後すぐには働かないように制御されているためであると考えられます。シロイヌナズナという植物を用いた研究から、「花を咲かせる遺伝子」 の有力な候補がいくつか見つかってきました。そのうち、FT 遺伝子とLFY 遺伝子を発芽と同時に働かせた植物が右側の写真に示した植物です。

これは種子から発芽したばかりの植物で、大きく開いた2枚の子葉の間にただ一つの花が形成されています (写真の右の模式図参照)。この植物はこれで一生を終えます。一方、同じ条件で育てた正常な植物は、まず10枚ほどの本葉を作り、その後に茎を伸ばして、数本の側枝と30個程度の花をつけます。左側の写真は、若い正常な植物で、4枚の本葉が形成されています (写真の右の模式図参照)。

このことは、FT 遺伝子とLFY 遺伝子というたった2つの遺伝子を働かせることで、植物が花芽をつくることを強力に促すことができることを示しています。こうした実験を通して、植物が花を咲かせるしくみを研究することも、植物生理学の重要な研究テーマです。同時に、それは、よりよい作物を作り出す研究の基礎としても大変に重要な研究です。

画像提供:京都大学 理学研究科
荒木 崇氏